ピアニストにはピアノ。ではマッサージ師には?

対談番組が好きで、いくつかの番組をいつも予約録画をして見ています。

先日、 BS朝日のザ・インタビューという番組では ピアニストの中村紘子さんがゲストでお話されていました。
クラッシックは学校の音楽の授業で習ったことくらいしか知識がないので、 中村紘子さん。と、いうと随分昔にカレーマルシェのコマーシャルに出ていた人。 という印象が強烈に残っていて…。
大変失礼ながら、今回の放送で演奏している姿を初めて見て「わ・わ・わ・なんて素晴らしい!」と感激してしまいました。

番組の中で、自宅のピアノの前に座って中村さんがこんな話をしていました。
(ショパンの残した言葉なのだそうですが)
「人間、声楽家は肺で呼吸して息をつぐけど、ピアニストはそれをどこでやるか。 というと・・・ここ。(手の甲) これは本当に一番重要なことなの。」
そして、それを具体的に試して見せてくれました。
「鍵盤から離れるときに、水飴が伸びるようにネットリとしたものを引き出すみたいな・・・。」 そう言ってピアノから指を離す中村さんの手は本当に水飴が絡みついているのが見えるかのようでした。

私は常々、マッサージって音楽や演劇ととってもよく似ているなぁ。と感じています。
正解がなく、どこまででも道は続き、深めれば深めるほど、もっと先があっていつまでもゴールがない。
表現の世界で二度と同じものは再現できず、お客様とプレーヤーとの呼吸がピタッと合った瞬間、想像をはるかに超えたものが現れる。

今、感じている、この感覚ってどういうことなんだろう?と 何とも表現できない歯がゆさにかられる時、
音楽のプロフェッショナルの方や役者さんが発する言葉の中に、 「あ!そういうことだったのか!」とすごくしっくりするものを見つけることができたりします。
今回の中村さんが 手の甲をさして、ここで呼吸をする。という説明と仕草を見た時にも 「あーーー!」と感じたのです。
ちなみにマッサージも手の甲で呼吸をする。ということではありません。
中村さんの「ここ」で(手の甲)呼吸して…と説明しながら、実際に動かして見せた手から生み出された音色の素晴らしい広がりにため息が出てしまったのです。

ピアニストにピアノという楽器があるように、マッサージ師にとっては受け手の身体が楽器になります。 中村さんのように素晴らしいピアニストの如く、私も素晴らしい音色を引き出すことのできるマッサージ師になりたいです。

 

ザ・インタビュー〜トップランナーの肖像〜
http://www.bs-asahi.co.jp/interview/prg_016.html

 

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